■2020/04/07 相続放棄　限定承認　これらの手続きご存知でしょうか？

相続放棄という手続きを皆さんはご存じでしょうか？？？

相続放棄とは、相続人が相続財産の全てを放棄する手続きのことです。

民法では、なくなった方に借金などの負債がある場合に、残された相続人が、
その負債を引き継がなくて済むように、相続を放棄出来る期間を

「相続の開始があったことを知った時」から3か月以内としており、その期間に放棄すれば、
相続の放棄は成立することになっています。
 
では、今回の問題です。

債務を抱えた親戚が亡くなって、その債務を相続する立場であった自分の親が、

その債務を知らずに相続放棄をしないまま、負債を相続した状態で亡くなった場合、

子供はどのタイミングまでだったら、その負債を相続放棄することが可能なのでしょうか？
 
※子供は、債権会社からの通知で初めて親が親戚の負債を相続していることを知りました。
 
ポイントとなった争点は、相続放棄出来る期間の起算日です。

相続放棄出来る期間の起算点は、実際に債務の相続を知った『債権会社から通知が届いた日』
なのか？『親が亡くなった日』なのか？
 
答え・・・
 
先日、この様な事例の裁判で最高裁判所は、起算点を

『通知が届いた日』

つまり、子供自身が債務の相続人になっていることを知った日とする判断を下しました。
 
相続放棄は、プラスの財産・マイナスの財産、全て放棄するということなります。

それでは、限定承認という手続きを皆さんはご存じでしょうか？？？
 
限定承認とは、相続の中で、プラスの財産の範囲で、債務を引き継ぐというものです。
 
 
プラスの財産の範囲で、債務(マイナス)も引き継ぎがなくてはなりません。
 
債務が不明な場合には、限定承認をとりあえず選択しておけば、後に借金が判明した場合でも、最終的にプラスの財産の方が多ければ、その分を差し引いたプラスの財産が残ります。

相続放棄の場合はプラスの財産・マイナスの財産も全て放棄となりますので、こういったことがありません。

また、亡くなった方が連帯保証人になっていたとしても、相続で残された資産を超える額を支払う必要はありません。
 
それでは、限定承認を利用するのが結局よいのでは？？？
 
限定承認を利用すればプラスの財産が多ければ、それを相続し、マイナスの財産が多ければ、プラスマイナスゼロということになります。


 
絶対、限定承認だとおもわれた方へ
限定承認には、以下のようなデメリットがあります。
 
 
◎相続人の全員、同意が必要なため、一人でも限定承認を希望しない方がいる場合、限定承認の手続きをすることが出来ません。

※どうしても相続債務の負担を避けたい場合は、相続放棄をするしかありません。

◎被相続人に・、相続税以外に、みなし譲渡所得課税がかかる可能性がある。

※相続財産がプラスのほうが多く、みなし譲渡所得課税が発生した場合、相続財産が目減りすることになる。
 
限定承認はメリット・デメリットを踏まえて、慎重に選択する必要があります。



結局、事前に被相続人(亡くなった方)の財産をきちんと把握しておくことが良いのですが・


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