納棺式とは
みなさんは、納棺式をご存じですか?
何年か前に話題になった映画「おくりびと」を観たことある人はイメージが湧くかもしれませんね。
納棺式とは、ご遺体を棺の中に納める時に執り行う儀式のことです。
納棺式の進め方は葬儀社によって若干異なるかもしれません。
私たちさいたまそうぎ社連盟では、納棺師とともに、ご遺族の皆様にも手伝っていただいて、故人様をお納めします。
納棺式は主に3つの行程に分けられます。
〇 湯灌(ゆかん)
故人様の身体を清めます。
最近は、脱脂綿などで肌の一部を拭く「拭き湯灌」が主流です。
古式湯灌と言い、実際には湯に浸かりませんが納棺士が綺麗に最後の身支度を整えます。
又、ご遺族おひとりおひとりに拭き湯灌をしてもらい、故人様のお身体を清めていただきます。
〇旅支度(たびじたく)
四十九日の旅に出る故人様に白の仏衣を着せます。
お遍路さんのような巡礼の姿をイメージされるとよいでしょう。
難しい部分は納棺師が着せますが、手甲(てっこう)や脚絆(きゃはん)のひもを結ぶなど、ご遺族の方の手も借りて、みんなで一緒に旅支度をお着せします。
また、ご希望の衣服がある場合は事前にお申し出ください。
〇納棺
参加した人たちの手で、故人様を棺の中にお納めします。
〇死化粧
故人様のメイクも併せて納棺師がさせていただきます。
ご家族の人がご自身の化粧品でメイクをされても構いませんが、やはりプロの納棺士に任せた方が良さそうです。
納棺式のすばらしさ
納棺式には3つのすばらしい面があるように思います。
1)故人様の手に触れることができる
普段の日常生活の中でご遺体の肌に直接手を触れる機会など、めったにありません。
故人様のお肌にじかに触れることで「命」を感じるお客様は実にたくさんおられます。
また参列者それぞれが、自分たちの中にある故人様との思い出を偲ばれて、中には声をかける方もおられます。
故人様との距離がグッと近くなるのが、納棺式なのです。
2)作法やマナーなど気にせずに故人様と向き合える。
通夜や葬儀はセレモニーです。
施主や遺族は故人様を偲ぶだけでなく、寺院や参列者への対応などに追われます。
また、葬儀式場という慣れない場で、慣れない立ち振る舞いをしなければなりません。
否応にも緊張を強いられるのです。
ゆっくと故人様と向き合えるのが、納棺式なのです。
3)「自分の手で送り出したぞ」という意識
いまは、葬儀と言えばすべて葬儀社が段取りをする時代です。
昔のように自分たちで作り上げる葬儀ではありません。
なんでもかんでも葬儀社が準備してくれて、自分たちは言われたまましておけばいいというのは、ある意味過剰なサービスなのかもしれません。
故人様の肌に触れ、身体を拭き、仏衣を着せ、化粧をする。
自分たちの手で「参加」することで、「この手で故人様を送り出したぞ」という実感が湧くのではないでしょうか。
納棺式は、現代の葬儀が忘れかけている、大切なものを思い出させてくれるのです。
葬儀に関する質問は、さいたまそうぎ社連盟迄、お気軽にご相談下さい。