私たちは、なぜ葬儀をするのだろう?
このページをご覧頂いているあなた。
きっと葬儀についてお考えですよね。
葬儀のマナー。
葬儀の費用。
葬儀の流れ。
うんうん。分かります
もちろん、私たちさいたま葬儀社連盟も、そうした葬儀に関する有益な情報を、埼玉にお住まいの人たちだけでなく、日本中の人たちにお伝えしたいと思ってます。
でも、このブログは、
「もっと深く、葬儀について考えてほしい」
「あるべき葬儀のかたちを一緒に考えていきたい」
そうした祈りを込めて綴っています。
だからこそ、今日はひとつ、当たり前すぎて考えたことないかもしれませんが、私たちがなぜ葬儀をするのか。
このことについて考えてみませんか?
葬儀が果たす5つの役割
葬送ジャーナリストの碑文谷創さんという方がおられます。
葬儀の果たす5つの役割という、とっても素晴らしい定義を残しています。
私なりに言葉をかみ砕いてご説明しますね。
1.死を知らせる
葬儀に参列し、故人と対面することで、また、参列できなくても訃報を受けとることで、私たちはその人の死を認識します。
社会のメンバーが1人いなくなることの重大さを昔から、人々はよく知っていたのです。
2.遺体を処理する
“処理”という言葉は正直あまりいい響きではないですね。でも、とても大切なことです。
遺体を放っておくと腐臭や腐乱で、公衆衛生が乱れます。また、儒教では「魂魄(こんぱく)」という考え方があり、
魂(こん=精神を支える気)
魄(はく=肉体を支える気)
この2つの重なりで命が宿ると考えられていました。
遺体を自然に還すことは、世界中どの地域でも、死者を弔う上でとても大切なこととして扱われています。
昔の日本は土葬、今の日本は火葬です。
処理の方法こそ違えいますが、いずれにせよ私たちはその人が宿っていた肉体に敬意を払いながら、最後は土に還していくのです。
3.死者の魂を鎮める
魄は土に、つまり自然に還します。
では、魂はどうすればよいのでしょうか。
魂は、宗教者の儀式で天に還します。
「亡くなった人がどこに行ったかな」
「ちゃんと天国に行けるかな」
このように、私たちはなんだかんだ言って、死者の行方や霊魂の存在を信じています。
亡くなった人の霊を鎮めるために、その専門家として、宗教家を招いて、儀式を執り行うのです。
4.グリーフケア
“グリーフケア”とは、死別の悲しみのケアのことです。
最近よく耳にするこの言葉。しかし、昔から葬儀はグリーフケアそのものでした。
葬儀は遺されたものの悲しみを癒すためでもあります。
人が集まり、一緒に故人を悼み、そして慰め、励まし合うことで、悲しみは、少しずつではありますが、癒えていきます。
5.教育
私たちは、生きている限り亡き人を送り、いつかは自分たちも亡くなってしまいます。
亡き人の葬儀に参列することで、そのことを自覚します。
普段の生活では感じることのできない“死”、けれど私たちは、いつか、必ず死にます。
死を考えることは、生を考えること。
葬儀には、死の、そして生の大切さを考えさせてくれる、そんな役割があります。
いかがでしたか?
あなたがお考えの葬儀。
家族葬なのか、直葬なのか。
こだわりの祭壇を飾るのか。
はたまたたくさんの人をお招きするのか。
どんな葬儀でもいいと思います。
でも、葬儀は、故人、喪主、家族、親族、ご縁のあった人たち、社会全体…
すべての人たちを幸せに導くための儀式である。
このことを胸ににとどめていてほしいと思います。